中国足彩网_足球外围平台-在线app下载

图片
LANGUAGE
LANGUAGE
記事一覧へ
13
SPECIAL INTERVIEWS

金城祐子さん

株式会社グレイス?ラム 代表取締役

金城祐子 さん (株式会社グレイス?ラム 代表取締役)
17歳へ。

やりたいことをぜんぶやってきたので悔いはない。
だから、やってみたいと思ったことは挑戦したほうがいい。

グレイスラムは、南大東島を拠点に、地元のサトウキビを原料に使うラム「CORCOR(コルコル)」を手がけている。2004年3月に沖縄電力の社内ベンチャー制度MOVE2000プログラム)を活用して会社を設立。金城さんをモデルとした原田マハ氏の小説「風のマジム」(2014年、講談社)を原作とする映画が伊藤沙莉主演で2025年9月に公開。取材日(8月10日)は池袋東武百貨店にて「風のマジム」監督の芳賀薫さんと、映画のモデル金城祐子さんのトークショーが開催。

  • 6

    学生時代はどんなふうに過ごしていましたか?

    幼いころの夢は冒険家でした。トムソーヤの冒険にあこがれて。うーまくーなわらばーでしたね(笑)。やりたいことはやるタイプ、行動派で、いつも楽しくて充実していました。
    高校時代の教育実習の先生に「あなたは自分のことが好きですか?」と聞かれたことがあり、「好きです」と答えました。答えながら「自分のことを好きじゃないと人にもやさしくなれない。自分のことは好きじゃないと!」と思ったことを覚えています。高校卒業後はスチュワーデス、今でいうキャビンアテンダントを目指して沖縄大学短期大学の英語コースに進学しました。

  • 6

    今のお仕事をはじめたきっかけは?

    短大卒業後はコンピューター関連の仕事をやりたくて東京の会社に就職しました。情報処理の仕事をしたかったんですが、入力作業ばかり。やはり大好きな沖縄で仕事をしようと、1年で沖縄に戻り、再就職をしました。3度目の就職で沖縄電力の子会社に入社しました。
    ちょうどそのころ、友人がバーをオープンして、売り上げに貢献しようと応援のためによく通っていたんです。そこで運命のラム酒に出会いました。こんなに風味豊かなお酒があるのかと感動をしたと同時に、原料がさとうきびだと知り、さとうきびが多く栽培されている沖縄でなぜラム酒が作られていないのかと疑問をもち「これだ!」と思って社内ベンチャー企画に応募することにしました。
    通常の調査は半年ですが2年かけて猛勉強し、事業計画をつくりました。前代未聞のプロジェクトで、その後もほんとうにたくさんの壁を乗り越えなくてはなりませんでした。31歳で起業、工場もなく、工場長もいないところからのスタートです。南大東島という本島から遠く離れた島での挑戦、子供はまだ1歳という状況のなかで会社を立ち上げ、初の沖縄産アグリコールラム酒「コルコル」の製造販売を始めました。今年で22年になります。
    わたしは復帰っ子(1972年生まれ)です。同じ20代後半で国会議員になった人、起業した人、がんばっている人がまわりに多くいたことも励みになりました。

  • 6

    どんなところにやりがいを感じますか?

    わたしの仕事はものづくりです。作り手の気持ちが込められたよい商品を消費者にどのようにしっかり届けられるかがポイントです。酒販店への売り込みも行いますが、県外の百貨店開催の物産展で、ラム酒のことを説明して販売する、その時間がとても楽しくて。先月から(取材時2025年7月)、千葉、熊本、東京、京都とまわり、沖縄にいる時間がないほどです。少なからずリピートしてくださるお客様がいますし、わたしをモデルにした小説「風のマジム」の読者の方も足を運んでくださり、ほんとうにありがたく思います。また、有名菓子店の材料としても使っていただいています。沖縄産の無添加無着色のこのラム酒がないと困るといって愛してくださる方々がいらっしゃることが大きな励みになっています。

  • 6

    壁にぶつかったことはありますか?

    人生で2回ほど壁にぶちあたり、もう無理だと思ったことがありました。1度目は沖縄電力で最終プレゼンまで残り、あと3か月というとき。前例のないプロジェクトでその重圧を抱えこんでしまい、家族や職場の上司にもうやめたいと話しながら号泣ししました。そのときに「あなただからここまでやれた。よくがんばったね」ってまわりのひとが声をかけてくれた。その言葉に肩の荷がおりたというか、吹っ切れて、どうにでもなれって、また力が湧いてきました。
    2度目の壁は、起業後、株式譲渡の時。企業間で自分の想いとは別にいろいろなものごとが進む中で、自分の気持ちを口に出し、気持ちを切り替えることができてからは、その時の悔しさをばねに乗り越えることができました。

  • 6

    今後の夢をおしえてください

    わたしのことをサクセスストリーだと言ってくださる方も多くいますが、まだまだ道半ばです。「産んだ人が育てる」、これは息子がわたしに何気なく言った一言です。それを聞いて、わたしは自分のつくったラム酒「コルコル」を育てないといけないと強く思うようになりました。小説「風のマジム」を原作にした映画公開の話も出てから注文も多くなり、うれしい悲鳴をあげています。けれども多く売りたいということが一番ではなく、小さな蔵元なので自分の目がとどく範囲でよい商品を作り、届けていくことがたいせつだと考えています。いまではニューヨークやパリにも輸出していますが、夢は世界中の人が知ってくださる、沖縄産ラム酒「コルコル」にすることです。

  • 6

    17歳の自分に何をつたえたいですか?

    いままで、やりたいことを全部やってきたので悔いはないです。だから「やりたいようにやったらいいよー、やりたいことを」とつたえると思います。
    さとうきびの絞り汁と水、そして糖蜜でラム酒が作れたときの感動とうれしさがすべての原動力になっています。
    わたしができたのですからみなさんもできます。思ったこと、やりたいことは挑戦したほうがいい。そして自分が思ったことは口に出し、その気持ちを大事にすることを忘れないでください。